金沢大学宇宙物理研究室ではガンマ線バースト(GRB)の研究を行っています。
GRBとは、宇宙論的遠方でおこる、大爆発です。
また、その起源はhypernovaeだともいわれています。
宇宙物理研究室では2台の望遠鏡、金沢大学の理学部屋上ドームにある30cmφ望遠鏡と、
文部科学省宇宙科学研究本部(ISAS/JAXA)屋上にある1.3mφ望遠鏡を使って、
GRBの残光を捕えようとしています。
そして、両方の望遠鏡はGRBが起こるとGCNという組織から送られてくる、位置情報が入ったe-mail
(通称バーストメール)に反応して、
自動でGRBを観測出来る状態にあります。
私が研究していることは、望遠鏡に取り付ける、(可視光用)分光装置の設計・開発です。
そして、望遠鏡に分光装置を取り付けて、GRBのz(赤方偏移の大きさ)を求めることが目的です。
バーストメールに書いてある、GRBの位置情報にはerror boxがあり、GRBのみをスリットをはさんで分光することは
難しいので、CCDカメラに写るすべての星を分光してしまおうという考えです。
ですが、いくつか問題点があります。
すべての星を分光しようというわけですから、分散幅が大きすぎると他の星とかぶってしまいます。ですから、
分散幅に制約が生じてきます。
また、分光させるわけですから、光量が落ち、暗いGRBは見れなくなります。なので、できるだけ
効率のよいものを選ぶ必要があります。
もちろん、波長分解能もある程度よくないといけません。
ガンマ線バーストのスペクトルの特徴である、ライマンαブレイクをつかって、zを測ろうとしているので、
それが見える程度の、波長分解能R〜50をめどに開発を行いました。
そういった、制約を満足する分光装置を何にするのかという基礎実験・シミュレーションを行った結果、
"grism"がもっとも適しているという結論にいたりました。
grismはプリズムとgrating(回折格子)を合わせたものだと思ってもらえばいいと思います。
そして、(株)ジェネシアとともに、grismと、視野を広げ、収差を取る
ためのコレクターレンズ系の開発・設計を行いました。
〜ISAS望遠鏡用分光装置grism〜
(株)ジェネシアと協力して設計・製作していた、ISAS望遠鏡用grismについて述べようと思います。
外径が33[mm]、有効径が31[mm]の透過型グリズムを作ることに決まりました。